2007年11月29日木曜日

ミサ


 他人にとっては何でもない場所が自分にとって、とても大切だったりする。

 写真はリスボンの旧市街地中央、ロシオ広場の脇にある教会。

 先日、この教会で行われたミサに偶然参加して、その独特な一体感に感動を覚えた。
 教会、朗読、傷んで欠けた壁、オルガン、十字架。

 人それぞれの思いが、自分の内側に向けられた眼差しが、そうした音や匂い、空気と一緒になった不思議な高揚感。

 荒廃した壁に割りと新しい屋根がかかっているだけで、これと言って、重要な建物でもないようだけれど、不思議な魔力を放っている。

 この教会は、去年の冬にリスボンを訪れた際、ふらっと立ち寄った場所でもある。
 
 ぼんやりと椅子に座っているとじわりじわりと、「このまま学生を卒業するか、外国で一年間生活できるか」という宙ぶらりんな不安が募ったのを思い出した。

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