2008年1月10日木曜日

マドリッドを好きになれない理由


を考えてみる。

 整然と格子状に切り分けられた街にはきれいに石が敷き詰められ、細い路地に面した建物はどこかきりっとして見える。そして日中の射すような日差しが建物の輪郭を際立たせている。そんな僕の勝手なスペインのイメージとスペインの首都マドリッドは随分違っていた。
 年末、クリスマスを終えた街は、初めてこの街を訪れた僕たちにとって、賑やかなのか、ひっそりとしているのかわからなかった。ただ、今にも雨が降り出しそうな曇り空と湿った冷たい空気がどうも街の印象を悪くしていた。バルセロナから5時間かけて陸路を電車でやってきたが、到着したアトーシャ駅は開放的で併設された植物用温室にホッとする一方、地下鉄駅にはクリスマス明けのくたびれた雰囲気がそのまま広がっていた。
 初めて訪れる街の地下鉄駅ほど同じに見えてどこか退廃的な場所はない。
うつろな瞳、散乱した紙くず、蛍光灯の明かり、きれかかった電球、レールの軋み、蒸した車内、窓は薄く曇っている、つり革。

 僕は今まで訪れた街の中でこの首都だけが、どうしても好きになれない。マドリッドは僕の頭にこびり付いた美しいスペインの要素に欠けていた。それは旧市街地を車が通ること、街が割りと起伏に富んでいたこと、広場がそれ程魅力的ではなかったこと。旧市街地を車が通ることで歩行者の自由な移動が横断歩道によって妨げられる事に加えて、広場の中心に記念碑などがないため、今ひとつ拠り所に欠けている気がした。案外、広場の真ん中あたりにに何か置くだけで、印象が変わるものだと実感した。

 海に面した平野に展開するバルセロナに比べて、マドリッドは起伏に富んだ立体的な都市だが、そうした立体感をなかなか感じにくいのではないだろうか?意外と歩いてみると通好みな路地裏やポケットパークに出くわすが、何故かそうした部分同士の相乗効果が薄かった。

 それは、単に年始だったからか。。。

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