2008年1月12日土曜日

路地は空へと続いている


 僕はスペインに対してかなり好印象を持っている。去年の夏に訪れたスペインの3都市が非常に良かったからだ。
 程よい大きさでもって、中心にある歴史地区が歩行者専用になっており、車の交通がないこともあって、歩く楽しさと太陽の恵みを全身に感じることのできる街だった。
 そうした僕のスペインの印象に比べると、バルセロナはオリンピック開催地ということもあってか、かなり異質に見えた。街が整然と格子状に並んでいるものの、一街区約100mから120mはあろうかという巨大さは街のスケールに比例しているようだった。広い道路は横断歩道を使って反対側へ渡るのが億劫なくらい広く、車の交通量もかなり多い。
だが、美しく車のために整理されたこの街にも歩いて楽しい路地がある。格子状に分けられた街を、右へ左へ当てもなく歩いていくといつの間にか古びて狭い路地にいる。
頭上に示されたもう一つの道は、僕の目の前に敷き詰められた石畳よりもずっと魅惑的なことを僕は最近まで知らなかった。

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