2007年12月5日水曜日

街はまだ眠っている。

  朝起きると、いつも射し込んでいるはずの太陽の気配はなく、窓の外には白黒の街が見える。
 
 窓を開けると、消音を解除したステレオのように朝の喧騒が聞こえてくる。

 ビーッ!というタクシーの警笛とデコボコとした道路をゴロゴロと音を立てて車が走っていく。

 寝ぼけながら支度をして、5階から1階へと降りていく。

 木造の階段に響く足音は朝の眠気を咎めるように僕を起こす。


 だが、入り口の扉を開けると、まるでまだ眠っているかのように街は霧に覆われていた。

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