2007年12月28日金曜日

アルコバサを訪ねて




先日、訪れたポルトガル3都市の中でも、僕はこのアルコバサに来るのが本来の目的だった。というのも今、僕が関わっている計画の敷地がこの街にあり、その敷地見学を兼ねた小旅行だった。だが、この街がリスボンからそれ程遠くなかったこと、加えて近郊に他の世界遺産や小都市があったので、それらを一緒に見て回ってきた、というわけだ。


因みにこの日最初に訪れた小都市バターリャはこのアルコバサとバスで40分とかからない。後でよく見ると、「地球の歩き方」にもこの二都市は合わせて見ることを勧めていた。





ポルトガルの都市は、日本の都市に比べてかなり小さいと思う。東京に住んでいたせいか、街の大きさを実感として持つことがあまりなかったけれど、ポルトガルでは都市という一まとまりがごくごく身近に意識できる。都市間について言えば、その間ほとんど何もない荒野が延々続き、4,50分して、遠方にポツリと都市らしき集合体が見える。といった感じだ。そうした都市のほとんどは緩やかな丘陵地帯に自然発生的につくられ、建物が建っても自然の形状はそのまま残っている。





バターリャ同様、アルコバサにも世界遺産に登録された修道院がある。写真は修道院内部、沈黙の回廊より修道院入り口側を見ている。午前中に見たバターリャの修道院の回廊が、装飾過多で繊細な柱が軽快に中庭を取り囲む一方で、この回廊は堅固な壁がそこから見える中庭の景色を遮ってどこか質素で地味な印象を受けた。


この修道院の目玉は厨房の巨大な煙突。最盛期には約1000人もの修道士たちが生活していたというこの修道院。10メートル以上はあろうかという煙突が厨房の中心に位置している。石の調理台が心なしか今も生臭い気がした。

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