2007年12月10日月曜日

アヴェイロの給水塔



アヴェイロの給水塔。
 先日、ポルトへ行く途中にアヴェイロという街に立ち寄った。
この街につくられた大学はポルトガルの有名建築家たちによるデザインから成っている。
建物個々の見所もさることながら、大学全体の配置計画や素材の規制は強烈な秩序を生んでいた。
そんな中でここでは、大学内の端っこに位置する給水塔を紹介してみたい。
ポルトガルを代表する建築家、Alvaro Siza Vieira(シザ)による設計。


 給水塔、ポンプとか聞いても今ひとつピンと来ないが、25メートルはあろうか。板状に打たれたコンクリート壁の直方体の一辺を支え、その直方体中心から少しずれて、円筒形の階段室(内部は梯子)が全体を支えている。

 一見すると、なんて事のない工業建設の名もないデザインのようだが、一緒に行ったポルトガル人の友人は終始、興奮気味だった。だが、その端で僕はと言えば、単純な幾何形体の組み合わせにどこか不思議な印象を受けながらもほとんど無反応に近かった。彫刻的といえば聞こえはいいけれど、何か物足りなさを感じたし、何よりポルトガルにおけるシザの存在の大きさを、一緒に行った友人の反応から感じた。シザの作品に対して手放しで絶賛するような迂闊さがあるような気さえした。
 だがその一方で、帰った後も消えない強烈な印象が今も僕に残っている。

2 件のコメント:

Daiki Koga Nakagawa コガナカガワダイキ さんのコメント...

うーん、僕には全く理解できそうにもないけれど、ポルトガル人には分かる、その"何か"があるから、ポルトガル建築の秩序を保てているのかな?

ポルトガルの建築じゃない!っという堂々とした決まり文句で、海外からのさまざまな提案を押しのけると聞いた事があるけれど、さすがだなあと思う。(日本じゃ考えられない)

匿名 さんのコメント...

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ポルトガル建築の秩序っていうのは、ある意味、シザのことだと思う。
一国の中で尊敬される、大きな存在の持つ影響力を感じたよ。