
さて、読者の皆様はP-cutterをご存知だろうか?
主にアクリル板などの切断に用いる鍵爪型のカッターだ。普通のカッターの様に押し切るのではなく、引掻いて削り取る。
つい先日、私はアクリル板を切らなければならず、事務所でこのカッターを探したがなかった。だが、アクリル板を普通のカッターで切るのは、とても大変なことなのだ。(薄い窓ガラスをカッターで切ろうとしている所を想像して頂きたい。)文字通り歯が立たない。
私は「ひょっとしたら事務所のどこかにあるのかもしれない」、と思い事務所の友人に尋ねてみた。ところが、そんなものは聞いたこともない、という。
私は絵を描いて「こういうものだ。」と尋ねる。いぶかしげにその絵を眺めながら、「見たこともない」と首を振る。それどころか「おーい、こんなの見たことあるか?」と他の所員に尋ねた。ぞろぞろとみんな集まってきて「何これー?」「何に使うの?」「どうやって使うの?」「どこに刃があるの?」と口々に言った後、やっぱり見たことがないという結論に達した。というより存在しないということになった。
しかし、私は直感的に、これはあるような気がした。リスボンではガラスではなくアクリルを使った窓など見かけることがあったからだ
この時、「ふぅ、やれやれ、クレイジージャパニーズ」といった雰囲気に少しムカついて、「これは絶対、ここにもあるよ」と冗談半分に言い返した。
私は事務所を早めに切り上げ、近場の工事現場に直行。みんなに見せたP-cutterの絵を見せて、存在を確認しようとした。だが、ほとんどの作業員はこれを知らなかった。私はさすがに不安を覚えた。
頼みの綱は以前行った事のある大型工具専門店。19:00に閉店するところを19:15頃、たまたま開いていたドアをするりとくぐり、何も知らない振りで店内を物色。見つけた!と同時に店の親父が「もう、閉店だよ、出てってくれ。」と言って近づいてくる。私は念のため「これはアクリルを切れるよね?」と確認。
ところが、「いや、紙だけだ。」と言ってきた。!?私は戸惑った。???
もう一度確認してみるが、彼はとにかく「出てってくれ」の一点張りだった。私は迷った挙句、買った。よく見ると、アクリルを切っているイラストが描いてある。たぶんこれはP-cutterだ。次の瞬間、私は持ち手の部分にPlastic-cutterとあるのを見て確信した。
これはP-cutterだっ!
P-cutterだっ!
※日本にあってもポルトガルにないものは実際あります。その逆もまた然り。